MONOLITH Coin Signet Ring -Constantinus I
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Hepholの門倉です。
今回はコンスタンティヌス1世のコインを使用した二つのリングをご紹介いたします。
MONOLITH Coin Signet Ring – Constantinus I
同じ皇帝の肖像を刻みながら、異なる時代に発行された二枚のコイン。
どちらも4世紀、ローマ皇帝コンスタンティヌス1世の治世に発行されたものです。

コンスタンティヌス1世は、306年から337年までローマ帝国を統治した皇帝です。
彼が皇帝となった当時のローマ帝国では、複数の皇帝が帝国を分担して統治する体制がとられていました。
その後、長い内戦を経て324年に帝国唯一の皇帝となります。
313年、リキニウス帝とともにいわゆる「ミラノ勅令」によってキリスト教を含む信仰の自由を認め、それまで迫害を受けていたキリスト教を保護しました。
また330年には、ギリシャ都市ビュザンティオンを大規模に整備し、新たな帝都コンスタンティノープルとして奉献。
現在のイスタンブールへと続く都市の歴史にも大きな転換をもたらしました。
宗教、政治、そして貨幣制度。
さまざまな面で、その後のローマ帝国のあり方に大きな影響を残した皇帝です。
古代ギリシャのコインには、都市の守護神や神話の人物、動物など、その土地の信仰や文化を象徴する図像が数多く残されています。
一方、ローマ帝政期のコインで大きな存在となるのが皇帝の肖像です。
広大な帝国で流通する貨幣には皇帝の姿が刻まれ、その裏面にも勝利や軍隊、国家の安寧など、皇帝の統治と結びついたさまざまな図像が用いられました。

大きなコインは、紀元319〜320年頃に発行されたと考えられる一枚。
裏面には、祭壇を挟んで向かい合う二人の勝利の女神ヴィクトリアが刻まれています。
中央には円形の盾を掲げ、周囲にはVICTORIAE LAETAE PRINC PERPの銘文が巡り、皇帝の勝利を称える図像が表されています。

キリスト教を公認した皇帝として知られるコンスタンティヌス1世ですが、その治世の貨幣にはヴィクトリアをはじめとするローマの伝統的な図像も数多く残されています。

一方、小さなコインは330年代に発行されたGLORIA EXERCITVSと呼ばれるタイプ。

裏面には槍と盾を携えた二人の兵士と、その間に立つ丸い飾りのついた軍旗。
GLORIA EXERCITVS(軍隊の栄光)の銘文とともに、ローマ帝国を支えた軍事力を象徴する図像が刻まれています。
神話の物語ではなく、実際に帝国を支えた兵士と軍隊そのものが貨幣の図像となっているところにも、ローマ貨の面白さがあります。


二枚を並べると、もうひとつ目を引くのが大きさの違いです。
発行された時期には10年以上の隔たりがあり、この時代のローマでは貨幣制度も大きく変化していました。
コンスタンティヌス1世は金貨ソリドゥスを導入し、その後長く続く金貨制度の基礎を築きます。
その一方で、日常的に流通した銅を主体とする貨幣は次第に小型・軽量化していきました。
今回の二枚にも、大きさや厚み、肖像の表現など、それぞれが生まれた時代の違いを見ることができます。
同じコンスタンティヌス1世を刻みながら、一方には勝利の女神と祭壇、もう一方には二人の兵士と軍旗。
わずか十数年の間に発行された二枚のコインから、当時のローマが貨幣に託した異なるメッセージを読み取ることができます。
今回は、それぞれのコインをSV925のシグネットリングに仕立てました。
長い年月によって生まれたコインの色合いや摩耗、不均一な輪郭をそのまま生かし、一枚ごとの大きさに合わせてリング全体のバランスを調整しています。
同じ皇帝を刻んだ二枚だからこそ、並べることで見えてくる図像と時代の違いを楽しんでいただければと思います。
詳細は、以下の商品ページよりご覧いただけます。
MONOLITH Coin Signet Ring -Constantinus I (大きいコイン)
MONOLITH Coin Signet Ring -Constantinus I (小さいコイン)